はじまりは、
「食」の時代変化。
思いやり堂本便の商品開発が始まったのは2010年。当時日本では、平均寿命の上昇と出生数の減少から、高齢 者人口の割合が23％に達し、超高齢社会になるなど、大きく時代が変化していました。そんな中、シニア世代の 方は噛む力が弱くなり、食べられるものが制限され、食の楽しみが減ってしまうという問題があることに気が付 きました。その問題を解決すべく、噛む力が弱くても食べることができる商品シリーズ“思いやり堂本便”という 、これまで挑戦したことのない新たなジャンルの商品開発をはじめました。
100余年で培った
保存技術と安心・安全。
堂本食品の創業は、100余年前。軍需品として保存食が求められた時代に佃煮を製造した創業期を経て、女性の社会進出の増加とともに、和惣菜を中心としたレトルト商品を展開してきました。“母が子に食べさせたいと思える食”をモットーに、長年にわたり安心・安全でおいしく、長期の保存を可能にする技術を研究してきました。思いやり堂本便の開発に際しては、これまで培ってきた技術に加え、シニア世代の方でも噛むことができるよう、食材を軟らかくする技術が必要でした。
ヒットの転機は、
お客様の声。
発売当時の思いやり堂本便は病院給食向けで、おいしさへのこだわりよりも食感や塩分への配慮を優先した商品でした。はじめの４年間は売上は伸びませんでしたが、あるお客様との出会いで大きな転機を迎えました。お客様は老人ホームで働かれており、今の食事に不満を持っておられました。
「形も彩りもすばらしいが、味が物足りない。一般の食品と同じ味付けにできないでしょうか。老人ホームにいるシニアの方々は、身体の動きや噛む力が衰えただけで胃腸が弱いわけではありません。自由に活動できない高齢者にとって、１日３回の食事はとても大きな楽しみなのです。」
おいしさにこだわり、
再出発。
堂本食品が創業以来大切にしてきたのは、安心安全で“おいしい”商品づくり。
「おいしいものでないとだめだ。」
改めて味を見つめなおし、試作を重ね、現場の方が求める“堂本食品らしい商品”へと生まれ変わりました。新しい思いやり堂本便のコンセプトは“おいしさが最優先。食材本来の見た目に、食感を残したまま噛む力が弱くなった方が食べられるおいしいお惣菜”です。
